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NEW FD 35-70mm f4 AF 改造整備記録詳細編 高知市リサイクルショップ お宝市場 満Q

皆さんこんにちは。本日は、過去のレンズ整備・備忘録記事の詳細が知りたいとの声をお客様から多数頂いたので、記録していた写真を拾い集め、記憶のかぎりを明記しようと思います。リサイクルショップ店員である、私ことカメラオタクによる、オタクのために配信するかなりオタッキーな内容にて、興味の有る方のみお付き合い下さい。それでは、第2回「canon NEW FD 35-70mm f4 AF」分解整備詳細編を始めます。よろしくお願いいたします。

 ジャンク品として当店に入荷した、このレンズの詳細に関しては、過去記事を御覧ください。本日は、整備の際に注意しないといけない内容、各種調整の方法を詳しくご説明していきますね。(分解工程は、ネット上に多数アップされていますので、そちらを参照して下さい。)

 まずは、触ってはいけない箇所をご紹介致します。

 レンズ先端部にある、白いカニ目のあるリング。外してしまうと上の写真のように、部品がバラバラと落ちてきます。復旧にはどえらい時間を要しました。触る必要のない箇所です。スルーしましょう。

(接着箇所は全部で4箇所あり、写真の個体では、赤丸部分の2箇所が破損している。)

 続いて、電池室の底部分。電池BOXの出し入れ時の衝撃で、躯体プラスチック部分の接着箇所(写真赤丸部分)が破損している個体が多いのですが、分解ついでにエポキシ系接着剤で、ガチガチに固定しておきます。

(ネジの周りの樹脂スペーサーが崩壊し、ネジは溝の中で、ぐらついています。)

 AFユニットを取り外したレンズ躯体内部。3種類のネジが見えています。それぞれ、前玉レンズユニット③と中玉レンズユニット②を支持しているネジ、ズーム機能を支持しているネジ①です。よく観察すると、そのネジの周りに本来ならある樹脂スペーサーが、経年で崩壊して、グリスと混ざり、粘土状のゴミとなり、溝の端に堆積しています。

 このコロの周りにあったはずの、樹脂スペーサーがなくなっていると、ネジにより支持されている各レンズユニットが、躯体の中でぐらつきます。そのため、ピント精度が著しく低下してしまうのです。

(ネジの周りにスペーサーをはめ込んで修繕)

 ネジは3種類とも、大きさが異なるため、それぞれに合ったスペーサーを、他のレンズから流用したり、工業製品の中から、サイズの近いものを選び、調整加工したりと、とにかく、なんとかして、確保します。サイズはシビアで、わずかでも、溝とネジの間に隙間ができると、ピント精度は低下します。

  次は中玉レンズユニット。赤丸のネジ3箇所(1箇所は写真には写っていない)で、固定されていて、そのネジの締め具合で、位置調整されています。中玉レンズユニット、後玉レンズユニットは、ガラスにカビなどがなければ、わざわざ分解する必要はありません。少々のカビならば、触りたくない箇所になります。

 取り外した中玉レンズユニット。裏側には、リングバネがありバネ圧で位置を調整する構造になっています。一回分解してしまうと、必ず調整が必要であることが分かります。それでは、中玉レンズユニットの位置調整方法を。ひとまず、中玉以降のレンズの清掃が終了すれば、ユニットを元通り、3本のネジで躯体に固定しておきます。その際、ネジは3本とも最後までねじ込んでおきます。締め付けておきます。

 写真のように、前玉レンズユニットも元通り躯体に戻し、カメラにマウントします。ライブビューで遠景を見ながら、ピントリングを回し、ピントが合う箇所があるかどうかを、確認します。中玉レンズユニットの位置が所定の場所でなければ、どこにもピントが合わないはずです。中玉レンズユニットのネジの締め具合を徐々に緩めながら、何回か同じ作業を繰り返し、ピントの合う箇所を探り当てます。これで、中玉レンズユニットの位置調整は完了です。確か、それほど難しい作業ではなかったはずです。 

 

 次は、最難関のズーム機構の調整です。このレンズ、バリフォーカルレンズではなく、ズームレンズです。つまり、例えば焦点距離70mmでピントを合わせたあと、焦点距離を35mmにしても、ピントは合ったままになるレンズなのです。この、ズームピントの調整方法は、実は解明できていません。(いい加減な内容で、申し訳ありません)

 しかし!調整箇所はわかっています。先に掲示したレンズ躯体内部の写真にあるネジ①をよく観察して下さい。一番大きなネジで、ネジの周りにある金色の円盤にカニ目があります。ですが、ネジはその円盤の中心ではなく、片方にズレていますね。その円盤を回転させることにより、調整する構造になっています。

 樹脂スペーサーを予めセットした状態で、中玉レンズユニットの位置調整のときのように、前玉レンズユニットを組戻し、カメラにマウントして、遠景にピントをあわせます。ネジは両方とも、緩めておき、ズームリングを回しながら、両方の円盤の位置をいろいろと回転させ、ズームしても、ピントがズレないポイントを探っていきます。とにかく、私の場合は、いじくりまくり、偶然的に調整ができました。何を、どうすれば上手くいくのかは、結局分からずですが、調整箇所はココで間違いありません。皆さんも、根気よく挑戦してみて下さい。(笑)

 そして最終工程、フランジバッグの調整方法です。AFユニット、前玉レンズユニットを組戻し、赤丸位置にあるネジ3本をゆるく締めておきます。AF機構で、遠景にピントを合わせ、その後、ライブビューで画面を見ながら、前玉レンズユニットをゆっくりと回し、ピントを合わせます。(機械のAFと、レンズのピント位置を合致する工程)ピントが合った場所で、3本のネジを本締めして、作業完了です。このフランジバッグ調整は、マウントアダプターごとに調整が必要です。つまり、マウントアダプターの精度が個々で狂っているからです。

 整備が完了した2本のレンズの内、1本はFDマウントからEFマウントに改造し、海外製の第6世代たんぽぽチップを、装着してあります。チップ内のデータも書き換え、35mm f4レンズとして、イグジフデータも入手できます。もはやFDレンズではなく、EFレンズと言えるほどの仕上がりがお気に入りのレンズです!マウントアダプターを使用しなくても良いため、レンズ本来の映りを楽しむことができるようになりました。(FD-EFマウントアダプターには、補正レンズが組み込まれており、画角も解像度も変化してしまいます)

 最後に、レンズチャートによるテスト画像をご覧ください。テスト機はEOS5D2で三脚使用、自然光、セルタイマー撮影。ISO 100 ピクチャースタイルは風景、ホワイトバランスはオート。撮影距離 1m AFで合焦させました。

70mm f4
70mm f8
35mm f4
35mm f8

 開放値では、映りが甘いですが文句はありません。優秀です。AF速度や作動音、精度は、現在の技術には、到底及びませんがAF時代黎明期に登場した文化遺産的なこのレンズ。現在でも、正常に動作することの意味は決して小さくないと判断しています。

 以上が整備記録の全てです。いかがでしたでしょうか。調整方法さえ、解明できていたら、決して難しい作業ではありません。ネット上には、分解フローがアップされていますが、それを真似して分解したならば、組戻し時の各種調整方法が分からず、おそらく使えないレンズになっていることでしょう。この記事が、そんなレンズたちを再び、復活させるための参考になれば、嬉しいです。

 整備が終了してから、かなりの時間が経過しており、記憶に間違いがあるかもしれません。今回の記事は参考程度にとどめておいて下さい。なお、改造に使用したマウントは海外から個人輸入したものですが、すでに販売は終了しているようです。たんぽぽチップは代を重ね、現在、アマゾンやアリババなどで、第9世代が販売されていました。(第6世代以降のたんぽぽチップは、レンズの焦点距離情報と、開放F値を任意の数値に変更することができますが、変更方法に関しては、いずれ公開します。それ以前のチップは焦点距離 50mm f1.4 固定になっているはずです。)

 最後に、お約束事項。改造・分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。

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