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Canon ⅡD レンジファインダーカメラ入荷       高知市リサイクルショップ 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。本日は、70年前に製造販売されたレンジファインダーカメラが入荷致しましたので、ご案内させていただきます。

 CANON ⅡD serenar 50mm f1.8

 雑貨品などのお見積もり依頼品の中に紛れていました!お客さまに確認させていただくと、お父様が生前大切にされてきカメラだそうですが、長年放置されていたとのことです。

 動作を一様に確認させていただくと、レンズもカメラにも、大きな不具合は確認できませんでした。見た目、かなりきれいです。フォクトレンダーの露出計が付属していたので、おそらく実用されていたのでしょう。

 このカメラ、発売開始は1952年で、日本製です。当時世界一の技術を持つドイツのカメラメーカー、ライカ社が製造していたバルナックのコピー品で、日本やアメリカ、ソビエトがさかんに製造していたようです。現在では、このような蛮行は許されないですよね。しかし、真面目な日本人は、ライカの持つ特許だけは、侵さず、ギリギリのコピーを作成しています。当時ライカが有する特許は、距離計の光路中央を垂直に走るビューファインダーが特許内容だったようで、各社この特許を回避してコピーを制作したそうです。Canon社は、距離計をそのままファインダーとして使用し、かつ、倍変装置を組み込みました。50mmレンズ用、100mmレンズ用、そして135mmレンズ用の3種類の倍率を選択することができるファインダーなのです。技術を学び、ノウハウを蓄積はすれど、パクリだけは行わないという気概さは、さすがCanon社です!こうして、ライカ社に追いつけ、追い越せで切磋琢磨し、現在、世界一のカメラメーカーとして、世界にその名を轟かしているのです!

 前置きが長くなりました。それでは、そろそろ本題に。リサイクルショップ店員である、私ことカメラオタクによる、オタクのために配信するかなりオタッキーな記事にて、興味の有る方のみお付き合い下さい。それでは、よろしくお願いいたします。

 不具合箇所。ファインダーにカビが多数発生していて、ピント合わせがしにくい。低速シャッターが不安定であることなどがあげられます。ボディーはきれいで、大きなキズやあたりは見当たりません。なんとか整備できそうです。

 まずは、ファインダー清掃から。

ネジ類が全てマイナスで、非鉄パーツのため、磁石ドライバーが使えません。
赤線は光路 ビューファインダー直前に可変装置が配置されています

 ファインダー内のガラス部分には全てカビが発生しています。1つ1つ清掃していきます。残念ながら、半透膜のガラス部分にもカビがあったのですが、蒸着幕はそのまま放置しました。(非常にデリケートで、ここを触るとピント合わせができなくなります。)

丸い部分が可変ファインダーので、ここが回転し倍率が変わります。

丸い部分が可変装置なのですが、この内部にもカビがはびこっています。

 分解は簡単でしたが、内部清掃は困難を極めました。蒸着膜部分以外のカビは除去できました。カビが残った状態なのですが、ファインダーの見え具合は、非常にクリアです。使用に問題は感じません。

 続いて低速シャッターの修理ですが、この修理は普通、完全分解作業が必要で、スローガバナーの調整が必要です。かなり、面倒なので、簡易補修とします。シャッター速度ダイアルを持ち上げ、その軸下めがけ、わずかにエレクトロパーツクリーナーを噴射します。結果、大成功!今までの経験では、この作業で、殆どの場合、復活します。(これ秘密!)

 カメラがこのような状況だったにも関わらず、レンズは全く問題ありませんでした。バルサム切れもなく、カビもキズもほぼ皆無。相当大切にされてきたのでしょう。一様の整備が終了しました。実際にフィルムを通してみましょう。

 試写結果は次回、ご報告させていただきます。さて、上手くいくのでしょうか。乞うご期待!最後まで、お読み頂きまして誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

canon ⅡD による試写結果記事はこちら

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写ルンです 改造レンズ試写編       高知市リサイクルショップ 満Q葛島店

 皆さんこんにちは。本日は、改造した「写ルンです」のレンズをEOS-Mでテスト撮影した結果をご報告致します。

 リサイクルショップ店員である、私ことカメラオタクによる、オタクのために配信するかなりオタッキーな記事にて、興味の有る方のみお付き合い下さい。それでは、第2回「写ルンです改造レンズ」試写編を始めます。よろしくお願いいたします。

 まずは、解像度チェックチャートでのテストです。テスト機およびテスト条件は今まで同様です。撮影距離は最短の70cmで、Jpeg撮って出しデータです。

 周辺こそ滲んでいますが、中心部の解像度をご確認下さい。これが、使い捨てレンズが吐き出す画像なのかと、驚きを隠せません!

 わずかに片ぼけ、盛大な周辺減光、シアン被りを認めますが、大満足な結果です。意気揚々と、外でのテストを開始します。

 近景作例 近所の柴犬「マメタ」♂6歳。

 近景作例  糸巻き型の収差

中景作例 レンズ躯体のどこかが影響している?左側の影

 逆光作例 JR土讃線 鈍行土佐山田行き

 逆光作例 ゴースト、フレアは盛大(フィルターが影響?)

 遠景作例 十分な解像度。周辺減光が目立つ

遠景作例  条件によっては周辺減光が目立たない

 夜景作例 露出補正で露出コントロール

 低照度作例 日没後手持ち撮影 ISO12800 銀杏 

 いかがでしたか?2,000円未満で購入できるカメラのレンズでの作例でした。今回、いろいろなパターンでテストしてみましたが、どのシーンでも概ね良好な結果(使い捨てカメラのレンズという前提条件はありますが)だと判断しています。持ち歩いていて、実に楽しいレンズです。パンフォーカスで撮影された遠景画像なら、本来の写ルンですの描写を楽しめたのでしょうが、今回はピント調整ができるように改造したため、なんだか、かつて見た写ルンですの描写とは別物のような感覚です。ピントピークを1.5mに合わせ、ピント固定で撮影すれば、本来の写りを楽しめたのかな?今度試してみます。

 以上ジャンク品活用術第3弾でした。比較的簡単に作成できるレンズです。コニカのカメラもジャンク品として、安く流通していますし、写ルンですは現在でも、販売されています。興味を持たれた方は是非、作成チャレンジしてみて下さい。創る責任、使う責任。SDGsにつながる精神。本来捨てられるはずだったものを活用し、蘇らせることに誇りを感じます。不要な方から必要な方への橋渡しは、我々満Qの使命と考え、日々活動しています。

 以上、カメラオタクによる改造レンズ作成レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。カメラ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。

過去関連記事

・第1回 写ルンです 改造レンズ作成 編 はこちら

ジャンク品活用術 第1弾 Canon DEMI EE17 改造記事 はこちら

ジャンク品活用術 第2弾 手造りソフトフォーカスレンズ記事 はこちら

AF AUTO CHINON 50mm F1.7 修理記事 はこちら

RICOH AF RIKENON 50mm F2 改造記事 はこちら

 最後まで、お読み頂きまして誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

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写ルンです 改造レンズ作成編       高知市リサイクルショップ 満Q葛島店

 皆さんこんにちは。本日は、使い捨てカメラ「写ルンです」のレンズを改造し、ミラーレスカメラ用レンズに蘇らせる「ジャンク品活用術第3弾」です。SDGsの観点から、本来なら捨てられる運命にあったガラクタを、再び現在のデジタル時代に蘇らせる資源再生プロジェクト(大げさな!)です。

 リサイクルショップ店員である、私ことカメラオタクによる、オタクのために配信するかなりオタッキーな記事にて、興味の有る方のみお付き合い下さい。それでは、第1回「写ルンです改造レンズ」作成編を始めます。よろしくお願いいたします。

 今回のレンズ躯体は、コニカ社製のC35レンジファインダーカメラを使用します。このカメラも、レンズ、ファインダーには大カビがあり、シャッターも切れないジャンク品です。このレンズのヘリコイドを利用し、本来固定ピントの写ルンですのレンズで、ピント合わせできるレンズへ仕立て上げる計画です。

まずは、カメラを分解し、レンズ部分をレンズボードごと取り外します。

 レンズを前玉から、順番に外していきます。難しいことはありません。構造はシンプルです。ここまでに必要な工具は、カニ目レンチと、精密ドライバーのプラスとマイナスのみ。

 見えている、レンズが付いたヘリコイドを一旦外し、4枚構成のガラスをすべて抜き取ります。俗に言う「玉抜き」作業です。実に恐ろしい作業名ですね(笑)。

 次に、レンズボードをレンズ躯体と同じような円形に加工します。(本来レンズボードは不要なのですが、ヘリコイドと一体をなしており、省くわけにはいかない構造でした)分厚い鉄製のレンズボードは、グラインダーを使い丸く、削っていきます。

 そこまで加工できれば、次に写ルンですのレンズ抜き取り作業に移ります。

 未使用品なのですが、フィルム使用期限が2018年だったので、ジャンク品扱いのカメラです。中のフィルムも取り出せば、使用可能なのですが、前所有者様がどのように保管されていたのかが、不明のため、今回は廃棄しました。

 簡単に分解できます。中に大きなストロボ用コンデンサが有るのですが、未使用品にて、感電はしません。安心して作業できます。見えているレンズ部分。前側の、フード部分と絞り部分にレンズが挟まれている構造で、その3つともをニッパーとヤスリを使い分離、きれいに整形します。整形後の写真を取り忘れています。(汗)3つを接着剤で固定しレンズユニットを用意ています。

 ちなみに、写ルンですに搭載されているレンズは、単玉プラスチック非球面レンズで、焦点距離は32mm、絞りは固定でF10だそうです。ピントピークは1.5mあたりに設定されており、被写界深度を利用した、ピント・しぼり固定カメラです。

 学生時代、修学旅行に、発売され間もないパノラマタイプの写ルンですを持参した記憶が蘇りました。本来のパノラマ写真ではなく、通常の画角の上下を遮光し、通常サイズの2倍の大きさの印画紙にプリントした後に、上下部分をカットされ、渡されます。当時は、原理も理解せず、横長の写真を見てパノラマ写真だって、喜んでいました。友達にもずいぶん自慢したな。

 さて、肝心な部分を説明していきます。ですが、かなり集中して作業しているので、いつものように、撮影を忘れてしまいました。(爆)

 言葉だけで、説明すると、整形した写ルンですのレンズ部分(フードとレンズとしぼり部分)をC35のヘリコイドに後ろ側から、はめ込みます。サイズが丁度のため、パチンとしっかりと嵌ります。この時、傾けること無く、まっすぐにはめることです。でないと、片ボケの原因になります。

 で、完成!フランジバッグの調整は、ヘリコイド部分で簡単にできます(割愛します)。かなり、へっこんだところに、レンズが見えます。

 上から見たところ。ピントヘリコイドを回せば、ピント調整が可能になっています。ちなみに、ピント範囲は、0.7m~∞です。なお、マウント部分はボディーキャップです。ボディーとレンズ躯体の間にはレンズボードが有るのですが、うまい具合に、ジャンク部品BOXからスペーサーを見つけ出し、隠しています。

 こんな感じです。ここまで、作業時間は約3時間。なんの問題もなく、スムーズに進みました。仕上がりには、満足しています。次回はこのレンズによるテスト撮影記事です。驚くほどの写り見せるのですが、さて、どのような結果だったのか。次回をお楽しみに!

第2回 写ルンです 改造レンズ作成 編 はこちら

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釣りバカ店長ブログ     キス釣り編          高知市リサイクルショップ  お宝市場 満Q

 皆さんこんにちは。今回の話はこの季節になると、無性に行きたくなる、キス釣りのお話です。

 突然ですが、「キスの天ぷら」って美味しいですよね。高知では、市場には、あまり出回らないので、食べたことの無い方が多いのかな?癖のないタンパクな味は、ホクホク感も相まって一度食すると、忘れられなくなる一品です。大型の場合、お刺身でいただくこともあるのですが、これがまたイケるのです。この味覚は釣り人の特権ですね。私の場合、キスを狙う時って「釣り」というより、「漁」って言っていいかも!?家族が喜んで食べてくれるので、とにかく数を狙います。(笑)

 キス釣りは、子供から大人まで手軽に楽しめる釣りですよね。 高知県では、キス釣り人口は少ないのですが、 他の地域では、専門に狙う人も多く、大会なども頻繁に行っています。 キス釣りは浜からの投げ釣りが主流です。しかし、遠くに投げれば釣れるというものではなく、コツは、海底に変化のある場所を探しコマメに探ることです。 群れで、行動しているので1匹かかると、集中的に 同じ場所に、仕掛けを投げ込みます。あたりが合っても、すぐには合わせず、しばらく仕掛けを引き続けると、段々とあたりが強くなります。群れで行動しているため、全ての針にかかることも多いです。(針を飲まれている可能性が格段に上昇してしまいますが) とにかく、あちこち投げまくり、群れに遭遇すれば、テクニックに関係なく釣れるので ファミリーフィッシングにも最適です。

  浜で キス釣りをしている人を、観察すると、投げて置き竿にして 当たりが出るのをじっくり腰をすえて待つ方法が多いなぁと感じます。 それでは、なかなか釣果UPは難しいのでは?って思います。私の場合「キャスト&移動」が基本です。群れに当たれば、その群れを根こそぎ釣り上げ、次をまた探る。だから、「釣り」ではなく、「漁」なのです。

 キス釣りをしていると釣れたキスにマゴチやヒラメが食らいつくことがままあります。 私も幾度となく経験していますが、仕掛けが細い為釣りあげることはできず、逃がすことばかりです。それらの魚を本命で狙いに行っても、ほとんど食わんくせに!

 思い出すと、今でも悔しくなる過去談です。①座布団級のヒラメを波打ち際まで寄せたが逃げられた ②トリプル掛かりで、その内の1匹は「ヒジタタキ」サイズだったのに、それだけが、目の前で逃げて行ったこと。 ③一升瓶サイズのマゴチの取り込みに失敗。などなど。逃した魚は大きいと言われますが、ホントにデカかった。

 キスとは スズキ目スズキ亜目キス科に所属する魚類。 シロギスの異称、あるいはシロギスがキスの異称とも定義される。 キス科には、ホシギス・アオギスなど、沿岸の浅い海に生息する種類を中心に5属約33種類が 記載されています。多くは、食用に利用されており釣りの人気対象魚でもあります。

 釣りは大好きですが、腕前はヘナチョコです。釣り場でご一緒したら、声をおかけください。楽しみにしております。また、県内の釣果情報等、情報共有をお願いいたします。

 最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。皆様のご来店を従業員一同心よりお待ち申し上げております。

 過去の「釣りバカ店長ブログ」は「業界裏情報」内にて公開しております。どうぞ、お越しください。

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COSINA AF ZOOM 28-70mm 黎明期AFレンズ入荷高知市 リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。本日はAF黎明期の遺産レンズが入荷しましたので、ご案内させていただきます。

 オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみお付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

コシナ AF ZOOM LENS 28-70mm F3.5-4.8 FDマウント

 大きな目玉が1個だけ付いた、この非対称形状には、なぜか魅力を感じるオタクなのです(笑)。世界初のAFレンズ登場から6年後の1987年に発売された標準域のAFズームレンズです。すでに、コシナからは、同シリーズの75-200mmが発売されており、Wズームのお相手的な位置づけです。レンズメーカーだけあって、各マウントが用意されていました。特徴として、AFモードに「シングルAF」と「コンティニュアスAF」が用意されていることです。(今では当たり前の機能ですね)そして、MFにはなりますが、70mm域で簡易マクロ撮影ができることです。(50cmくらいまで、近づけます)

 状態は、電池室液漏れ(通電確認できず)、レンズ前玉に派手なカビの発生を認めます。ジャンク品としての、お買取になりました。ありがとうございます。このレンズ、決して多くはありませんが、市場でもちょくちょく見かけるレンズです。ただし、電池室の液漏れ個体が多く、不動のレンズが多いことも事実です。

 まずは、電池室にはびこっている青いサビをルーターできれいに削り落とし、動作確認。幸いレンズは生きていました。一通りの動作確認の結果、ちゃんと仕事をすることを確認しました。

 次に、カビ取り作業を開始します。まずは、見えているカニ目にレンチを入れて外します。

 レンズサッカーで前玉を持ち上げると、次々とレンズが外れます。結局、前玉は4枚構成でした。

 写真では見えにくいですが、前玉が無くなった躯体には、絞りユニットと後ろ玉が見えています。特段問題が無かったので、分解はここまで。クリーナーできれいにした後、再度組戻し、最後にフランジバッグ調整に入ります。(あまりにも作業がスムーズすぎて拍子抜け、途中の撮影を忘れてしまいました)名盤は接着剤で固定されていますが、それを外すと3本のネジが見えます。そこが、フランジバッグを調整するヘリコイドです。調整方法はいつもの通り。あーやって、こうすれば調整できます。

 清掃後、調整したレンズです。きれいになりました。ここまで、作業時間わずか30分程度。なにか、物足りなさを感じるのは、最近ヘビー級の分解修理が続いたからだろな。きっと。

 そして、お決まりのテスト撮影。Jpeg撮って出し(一部トリあり)テスト機はEOS 5DM2(マウントアダプター使用)

 天然記念物サギソウ。徳島県黒沢湿原 マクロ域作例。F3.5

 中景作例。山小屋 F5.6 トトロの世界みたい。

 遠景作例 F5.6 徳島県吉野川に架かる鉄橋 JR土讃線

 遠景作例 F5.6  高知県 物部渓谷 素直な発色です。

 過去にも同じレンズを所有していましたが、ありふれた焦点域なのと、マウントアダプターが必要なことから、活躍の場がなく、手放しました。こうして、改めて見てみると、現在でもなんの遜色もなく使用できます。ボディーとのバランスも良くスナップ撮影には面白いレンズだと再認識しました。

 以上、カメラオタクによるオールドレンズ修理レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。レンズ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。

過去関連記事

世界初のAFレンズ(AF RIKENON 50mm) 改造ブログ はこちら

珍品レンズ(AF AUTO CHINON 50mm) 修理ブログ はこちら

黎明期 Canon NEW FD 35-70mm F4 AF 改造備忘録はこちら

手造りソフトフォーカスレンズブログ はこちら

Canon DEMI EE17 改造ブログ はこちら

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AF AUTO CHINON 50mm F1.7 珍品レンズ入荷!     第3回「テスト撮影  編」    高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。第2回「AFモーター修理」編に引き続き、チノン珍品レンズ修理記事、第3回「テスト撮影」編をお届けいたします。

AF AUTO CHINON 50mm F1.7  PKマウント

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 一旦は欧州方面に輸出されるも、再び日本へもどってきたこのレンズ。いつからか、モーターが故障し、故に所有者が度々変わるという数奇な運命。こんな不運な運命に思いを馳せながら、テスト撮影に望んできました。それでは、早速テスト結果を見ていきましょう。(テスト機はEOS 5D2です。レンズにマウントアダプターを装着して、さらに1.5倍のテレコンをかましての撮影になります。何かをかまさないと、おでこにが邪魔してマウントできないのです。Jpeg撮って出し)

 最初にボケ味の確認。開放撮影。極々普通。

 接写作例。開放撮影。(チューブ使用、MFピント。撮影距離50cm)解像度、色にじみなどは確認できず、満足です。

 近景作例。開放撮影。逆光ではフレアが発生します。

 中景作例。開放撮影。神社での夏祭り。

 遠景作例。F4.0 高知県いの町「にこ淵」仁淀ブルー

遠景作例。F5.6 福山通運トラックターミナル

 今回の修理にもいろいろと、ハプニングが有りましたが、紆余曲折を経て、見事復活したこのレンズは今、私の手元にあります。製造後40年も経過しますが、実写結果は極めてナチュラルな描写傾向で、良く写るレンズです。AF機構が近赤外線を利用した三角測量方式なのですが、これが、想像以上にキビキビとしていて、心地良かったです(同じ三角測量方式のAF RIKENON50mm はゾーンAFでしたが、このレンズは無段階AFです)。そして、真っ暗な場所やコントラストの低い無地の壁でのAFがズバリと合焦するところには、驚きを感じました。逆に、ガラス越しの被写体にはピントが合いません。ガラスに合焦してしまいます。赤外線を利用したAFだからですね。現在のAF性能と大きく違う点です!欠点は、中景に位置する(概ね10m以上)被写体へのAF精度が極端に低下することです。赤外線が届きにくいからかな?受光センサーが赤外線の反射を検出しなければ、レンズに「無限に合わせろ」と指示しているような感じを受けます。しかし、F値を5.6以上にしていればピント精度に大きな問題は感じません。

 そんなこんなで、一様に問題点がないことを確認できましたので、店舗で販売することにします。と、申しますか、実はすでに売れています。そう、やっぱり!前所有者様が買い戻しされました。第2回記事をアップしてからは、毎日店舗においでになり、販売開始日を確認されるのです。はじめから、私が修理するだろうと見込んでいたらしく、それを買い戻す計画だったと。もし、失敗していたら、どうされるおつもりだったのかとお尋ねすると、その時はそのときよ!とのことでした。なんともはや。もう、修理して販売するのはやめようと、思う次第です。だって、失敗する確率のほうがはるかに高いのが現実ですから。今回は、たまたま2回連続で上手く行きましたが、こんなこと稀です。今後、この所有者のような行為は一切、ご遠慮下さいね。責任取れませんから。(笑)

 以上、カメラオタクによる希少なオールドレンズ修理レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。改造・分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。

AF AUTO CHINON 50mm F1.7 第1回「故障原因追求」編 はこちら

AF AUTO CHINON 50mm F1.7 第2回「AF モーター 修理」 編はこちら

過去記事

RICOH AF RIKENON 50mm F2 マウント改造記事

Canon NEW FD 35-70mm F4 AF 改造備忘録

手作りソフトフォーカスレンズ

Canon DEMI EE17 改造記事

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AF AUTO CHINON 50mm F1.7 珍品レンズ入荷!     第2回「AF モーター 修理 編」    高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。第1回「故障原因追求」編に引き続き、チノン珍品レンズ修理記事、第2回「AFモーター修理」編をお届けいたします。

AF AUTO CHINON 50mm F1.7  PKマウント

(貴重なチノン製AFズームレンズも入荷しました!2023.11.06)

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 モーターは動作しているのに、レンズが動かない。過去の症例を参考にモーター部を確認してみたけど、結局故障原因不明。次に考えたのが、距離リングにある歯車の摩擦が増大し距離リングが動かなくなっているのでは?とあたりを付け、さらなる分解を進めていきます。

 この距離リングにある金色の歯車が、AFモーターの動力を受け距離リングを動かします。しかし、MF時は直接この距離リングを回転させる構造のレンズです。現在のAFレンズには、AF/MFスイッチが付いており、MF時はAFモーターからギアが外れ、モーターに負荷が掛からない構造になっています。しかし、このレンズには、切り替えスイッチがありません。どうなっているのか。それは、距離リングに回転トルクが外部から、掛かったら、金色の歯車が距離リングとは連動せずに、動くのです。言葉では伝えにくいのですが、MFでピントを合わせようとすると、AFモーターのギアを傷めないように、金色の歯車が、AFモーターのギアに噛み合ったまま、その位置から動かないのです。つまり、距離リングだけが、動くという原理なのです。なので、その金色のギアのトルクが上がって、モーターが動かないのでは?と考えたのです。分解して、グリスを入れ替えます。より、滑らかな動きになりました。ですが、結果に変化なし。やっぱりな。

 次は、レンズヘリコイドのグリスの劣化により摩擦力が増大しモーターでは動かせなくなっているのでは?と考え、レンズを分解していきます。写真で見えているのが、しぼりユニットなのですが、この構造、富岡光学製レンズではないようです。(詳しくは、この記事を参照してください)

 AFユニットとレンズを分離します。残念ながら、分離のためには、ネジロックされた調整モジュール(近赤外線照射ユニット)の取外しが必要で、案の定、後に、調整に手こずることになりました。

 マウント部も分解し、ヘリコイドを露出させていきます。

 顕になったヘリコイド部分。金属くずが混ざり、真っ黒くなった粘土状のグリスを、きれいに入れ替えます。

 この後、さらなる分解を経て、完全分解に至ります。再度組み立て、ヘリコイドのトルクを確認。明らかに、分解前よりスムーズに回転しています。もしかして、これで上手くいくのでは?期待は膨らみます!いざ動作確認!・・・・・・・やっぱ動かんなぁ!はぁ~。これもダメか。ヘリコイドの組み上げにてごずったため、ここまで実に6時間以上経過。どっと疲れが出たので、この日の作業はこれで、終了。この時点で、すでに諦めモードのオタクなのです。

 この間、数日おきに元所有者様が、ご来店され、修理の進捗の確認をされます。なんだか、プレッシャーを感じます。(笑)でもなんで?このレンズを修理していることを知っていたのだろう。

 ずいぶん、あれから時間が経過しました。ジャンク品として、販売することにしていたのですが、どうしても諦めがつかず最後にもう1度だけ、と心に決め、モーター部分を取外してみました。

 詳しく観察。ボディー中央に巻かれたアルミテープが気になり、剥がしてみると。なんと、モーターが2つに分かれた!そして中身があらわに!

 なんと!ギアードモーターじゃないですか!円筒形の筒の中にギアが隠れているとは!そんなの聞いてないよぉ!そこで、ピン!ときました。もしかして、回転トルクが低下していないか?通電して確認します。やはり!トルクが全くありません。回転コソしていますが、指で押さえるだけで、回転は止まってしまいます。(ギアに割れがあると、トルクがかかったとき、軸上でギアが空回りし、仕事をしないのです。)原因を確信したオタクはモーターを分解します。上から1つ1つ、順番と向きを記録しながら、ギアを外していき、損傷の有無を確認していきます。お宝の在り処を確信したトレジャーハンターのように、ドキドキしながら。(笑)

 有りました。ありました。やはり、当初の見立て通り、樹脂製ギアの損傷が原因でした。でかした、オタク!

 (2つ上の)写真では見えていない、一番奥(底)にあった直径2mmほどのポリアミド樹脂製のギアに割れが有りました。歯数は10。原因の特定ができ安堵しました。あとは同じものを、ジャンクBOXの部品に求めるだけです。

 このサイズのギアは通常、AFモーター内では見ないサイズ(小さすぎる)です。100本分は下らないであろう、いろいろなレンズの分解後残骸パーツから見つけました。軸経、ギア径、歯数全て同じものです。タムロン製レンズのしぼりユニット用モーター(上の写真にある、金色のギアがそれで、しぼり幕を開閉するモーターのギアです。)から金属製の、そのギアを取り外し移植、なんなく修理完了。トルクが回復したモーターの回転は指では止められません。歓喜の瞬間です。ヨッシャー!

 最初に、トルクの低下を見つけていたならば・・・・ギアードモーターであることに気づいていたならば・・・・簡単に修理できていたものを。トホホ。素人修理なんて、こんなもんです。

 分解の際に、一旦取り外すと、再度調整が必要なモジュール、近赤外線照射ユニットの調整作業に、時間を要しました。調整しては、組み立て動作精度確認。また分解をひたすら、繰り返します。調整用機器が無い分、分解と調整、組み立てを繰り返すしか方法がありません。ですが、気分は晴れ晴れしています。なぜなら、この作業、回数さえこなせば、必ず調整できるから。原因不明の修理作業とは、格が違いすぎます。

 なんとか修理が完了いたしました。AFも動作しています。しぼり動作等、正常に作動しています。(このAF速度や作動音が元通りなのかどうかの判断はできません。最初から故障していたので)。

 ネット上にも、このレンズの内部構造や分解に関する記事が全くない中、故障の原因も分からないのに、分解し、紆余曲折を経たとは言え、最終的に実用品にまで、仕立て上げることができたドタバタ・ストーリーをお楽しみいただけましたでしょうか。

 完成したレンズによる試写結果が、次回最終報告になります。いや~完了まで、今回も長かったな。ここまで、読み進めて頂きまして誠にありがとうございました。次回の報告と同時に、店舗で、このレンズの販売を開始致します。価格は店頭での発表となりますが、販売まで、今しばらくお待ちくださいませ。

 なんとなく、元所有者様が買い戻されるのではないかな?なんて感じております。テスト撮影作業が残っているため、元所有者様へは、完成の報告を遅らせようっと。すぐに売れ!って言われたら困るから。(笑)だめですよ。このブログを見たって言われても、テストが終わるまでは、絶対だめです!

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AF AUTO CHINON 50mm F1.7 珍品レンズ入荷!     第1回「故障原因追求編」     高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店      

 皆さんこんにちは。AF RIKENON 50mm f2 に続き、黎明期(80年代前期)のAFレンズが入荷しました。立て続けに、希少なレンズが入荷するとは、なんと幸せなことよ。

 AF AUTO CHINON 50mm f1.7 PKマウント

 ジャンク品として入荷した、このレンズ。非常に数の少ない希少なレンズのようでしたので、実用品として復活させることに。復活までの、執念の体当たり作業工程をを複数回に分けて、レポート致します。オタクによる、オタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。それでは、第1回「故障原因追求」編を開始します。よろしくお願いいたします。

 私ことカメラオタクは、このレンズを初めて見ました。大きな目玉が2個くっついた、かなりインパクトのある出で立ち。左右非対称のレンズって私、大好きです。1982年発売開始のチノン製のAFレンズで、マウントさえ同じなら、MFカメラをAFカメラにしてしまう、レンズ完結式AFレンズで、測距機能、モーター、駆動用電源など全てをレンズ本体に搭載しています。AF開始ボタン、合焦音ON/OFFスイッチ以外なにもついていません。近赤外線を照射し三角測量方式でオートフォーカスを実現するレンズのようです。当時「チノン」というメーカーは有名ではなく、主に海外に向け、8mmカメラを輸出していたらしいです。このレンズも、そもそも生産数が少ない上、海外にも輸出されていたそうで、現在、国内の中古市場でもめったに、お目にかかれないレア中のレアなレンズなんだと、説明していただきました。確かに、レンズ下部に貼ってある金色のシール「PASSED」は財団法人日本写真機検査協会のもので、海外に輸出される製品に、品質を保証するために検査を受けた証として添付されていたもののようです。つまり、このレンズは、海外からの出戻りレンズのようなのです。元所有者様によると、レンズ内部はきれいなのだけど、AF機能が故障(モーターは動いているけど、レンズが動かない)しているとのこと。オークションサイトでジャンク品として落札されたが使い物にならず、あえなく、売却となったそうです。ホントにお売り頂いて構わないのかと、何度も聞き直し、お買取させて頂きました。ありがとうございます!そこまで、レアなレンズなら、なんとかできないか?って俄然、やる気が湧いてくるカメラオタクなのでした。(今回はCanon機での使用は想定しておらず、とにかく実用品レベルまでの復活を優先させることに。)

 実際に確認します。単4電池を3本装てんし、テスト機にマウントしAF開始ボタンを押すと、モーター音が確かにします。しかし、AFは作動しません。このような事例は、殆どの場合、ギアードモーター内の樹脂ギアの割れか、プーリーベルトの断裂が原因です。(過去の修理経験より)故障原因に確信をもっていたので、すでに勝利を手にしたかのように、分解作業を開始します。気分は実に、晴れやかです!

 躯体がプラスチック製なので、慎重に分解していきます。

 場所により、ビスのピッチや長さが異なっているため、分解しながら記録していきます。テンポよく、順調です!

 写真右側にある縦に長いものが、今回のキモとなるAFモーターで、その横(目玉の前)にあるパーツが、赤外線照射モジュールです。一番左側の青いパーツはコンデンサで、素手で触ると感電します。左側の目玉の前に、赤外線受信モジュールが配されています。この写真でも、何箇所かに、赤いネジロックが施されているパーツがありますが、基盤の下にも、多数調整された箇所が存在します。分解の際、これらのパーツを触らないといけなくなった場合、元通りに調整するのに、相当の苦労が待ち受けます。できることなら、触りたくないところです。

 そして、問題のモーターを取外します。過去分解したレンズのAFモーターは、殆どがギアードモーター(Canon製や新しいレンズはUSMやSTMモーターが搭載されていますが)なのだけれど、このモーターは、そのようには見えませんでした。(これが、大きな判断ミスとなり、最後まで苦しむことになるのです)さっきまで、テンポ良くきていたのに。なんだか、嫌な予感。

 上の写真のように、通常は、このようなギアードモーターが、レンズ内に配されるのですが。

 これが(上の写真)、取外したモーター。ギアードモーターのようには見えません。全然見た目が違うでしょう?(レンズに使用できるモーターの特性を考えれば、ギアードモーターでない、はずがないことは、冷静な時だったら、簡単に気づくことができるのに。)

 リード線に電流を流すと、モーターはちゃんと回転しました。(ここで、モーターのトルクが著しく低下していることに気づかなかったことが、2つ目の大きなミスとなるのです。ギアードモーターであることに気づくチャンスを2回も見逃したのです。調子が悪いときってこんなもんです。って、さっきまで絶好調だったくせに)

 故障の原因が、見当していたものとは、違っていることに驚愕し、うろたえるオタクなのでした。困り果て、この日は、これで作業終了。その後も、修理方針(どこを、どうすればいいのか全く分からず)が立たず、長く放置の時間が続くのでした。

 それでも、後日なんとか、気を取り直し、作業再開です。どんどん分解を進め、最終的には完全分解してしまいました。しかし、原因の特定には至らず、敗北感を味わいながら、元通り組み立てることに。(ジャンク品として、販売することを決意してのことです。)だけど、最後の最後に、その原因に気づくことになるのです。自身の執念深さには、我ながら恐ろしくなります!(笑)。さて、どのような原因だったのか、次回をお楽しみに!第2回は、復活に向けた修理の記録をお届けいたします。

第2回 AF AUTO CHINON 50mm F1.7「AF モーター 修理編」はこちら

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RICOH AF RIKENON 50mm F2 世界初の一眼レフ用AFレンズ  「テスト撮影」編        

お陰様で売り切れました。ありがとうございました。

 皆さんこんにちは。第4回の「レンズ清掃」編 に引き続き、世界初の一眼レフ用オートフォーカスレンズの改造記事、第5回「テスト撮影」編 最終回をお届けいたします。

RICOH AF RIKENON 50mm f2  PKマウント

 オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみ、お付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

 テスト条件:解像度チェックチャートを使用、最短撮影距離の1mに設置、レンズによるAFでピント合わせ、ISO100、ピクチャースタイル「風景」、自然光撮影、三脚使用、セルフタイマー使用、テスト機はEOS 5DM2です。 

 1枚目、f2.0での画像です。中心部の解像度は良好、周辺部は甘いです。周辺減光も激しいです。

 続いてf5.6で撮影。全く問題を感じません。上等でしょう。もともと、AFがゾーン式であるため、説明書にも「撮影は、しぼり値をf5.6以上の緑色の部分に合わせて」と推奨しています。

 被写界深度を利用し、少しでも鮮明な画像を得るための苦肉の策で、使えるものは全て利用し、その利用価値をあげようとする当時ギリギリの最先端技術戦略が透けて見えます。

 AFの原理は、レンジファインダーカメラが搭載していた三角測量方式を使用し、2重像を機械的に合致させるようレンズを制御するものです。コントラストの低い被写体や、照度の低い室内、反対に太陽光のきつい屋外でのAFは不安定で、なかなか合焦しません。あるいは、AF検出できませんと言わんばかりに、合図を出してきます。さらに、近景より中景の方が不安定です。  繰り返しますが、このレンズと付き合うためには、古さを楽しむ心の余裕が必要なのです。適時MFに変更するか、しぼり値をf5.6以上にして撮影に臨む必要があります。(笑)

ボケ味確認用作例 AF開放撮影  ざわざわしたボケ味です

 最短撮影距離1m作例、AF開放撮影  ボケ味は微妙?

 近景作例 AF開放撮影 我が家のアイドル「ふくちゃん」

近景作例2 AF開放撮影  室戸岬で咲く「ハマゴウ」の花

 中景作例 AF開放撮影  需要急拡大の国産杉

中景作例2 AF/f5.6撮影 室戸ジオパーク タービダイト層

遠景作例  AF/f5.6撮影  南国市 JRごめん駅

 以上、改造後屋外に持ち出し、テスト撮影を実施しました。このレンズの評価は、皆様のご判断にお任せ致します。私的には、十分な画質性能で、外ではお目にかかれない希少なレンズであることに、満足です。もともと、写りが良いことで定評のあるXRリケノンレンズですので、文句などありません。AF検出性能力には、多少の難を感じますが、なぜか、使用していると、おおらかな心持ちにしてくれる、不思議なレンズでした。このレンズは、間もなく店頭へ陳列致します。程なく、嫁入りしていくことでしょう。次回、いつ出会えるのか。改造に手こずっただけあって、なんだか寂しさのようなものを感じています。

 以上、カメラオタクによるオールドレンズ改造レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。改造・分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。

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RICOH AF RIKENON 50mm F2 世界初の一眼レフ用AFレンズ  「レンズ清掃」編          高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。第3回の「AF機構調整」編その2 に引き続き、世界初の一眼レフ用オートフォーカスレンズの改造記事、第4回「レンズ清掃」編 をお届けいたします。

RICOH AF RIKENON 50mm f2  PKマウント

 オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみ、お付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

 ご覧の通りです。カビ、カビ、カビ。ファインダー像は白く霞んでいます。数十年もの間、押入れにて保管されていたようです。当然の成行き。ジャンク道を歩む者にとって、カビなどいつもの症状。別段、怖くもなんともありま・・・・・・・せん!?って言うのは、強がりで、ここまでのカビは、コーティングをも食いちぎり、ダメージは免れないことが多いことは、皆さんもご存知の通り。さぁ分解開始します。

 名盤は接着剤で固定されていました。精密ドライバーで慎重に取外し、見える3本のネジを外すと、写真のようにフィルター枠が外れます。フィルター枠を外すと、レンズの一番外側に、銀色のC型の金属が見えます。このC型座金は、距離リングとレンズヘリコイドを固定する重要な役割を担い、清掃後、ここで、フランジバッグ調整を行うことになります。先に清掃をするため、とりあえずC型座金を外し、その内側に見える、3本のネジを外します。

 前玉がごっそりと外れます。前玉が無くなったレンズには、しぼりユニットが見えています。

 少し話はそれるのですが、この時代、リコー社もこのレンズをOEMで他社に製造委託し、販売していました。元のレンズは写りに定評のあった、XRリケノン50mm f2 を改良(モーター駆動に対応させるため、ヘリコイドをなめらかに改良しています)したレンズにAFユニットを載せて開発したものです。XRリケノンは、全部で5世代あり、第1世代と第2世代は、マニアの間で重宝される、「富岡光学」社製のレンズでした。写りが、かの有名な「ライカ社のズミクロン」に匹敵すると言われており、「和製ズミクロン」などと称賛され、富岡光学社製かどうかで、価値にも変化があることは有名な話です。それが、第3世代から「日東光学」社にOEM先が変更されているのです。1981年からのことです。このAFリケノンの発売が1981年なのですが、OEM先の情報は一切有りません。ビミョーな発売時期です。富岡光学社の内製部品には、ある特徴があり、わずかでも性能が向上するなら、コストを掛けてでも良い製品に仕上げるため、複雑な部品を使用しています。

今回のしぼりユニット

 改めて、今回のレンズしぼりユニットを見てみます。ユニット自体が、レンズ躯体にねじ止めされています。残念ながら、このしぼりユニット、富岡光学社では、採用していない構造なのです。(ち~ん!残念でした!)

 これが(上の写真)、富岡光学社製しぼりユニット。全く形状が異なっています。仕方がないので、気を取り直し、清掃作業を進めていきます。

 前玉に見えるカニ目を緩めると、すべてのレンズにアクセスできます。幸い、コーティングに損傷は有りませんでした。3種類の溶剤でクリーニングを完了させ、元通り組み上げます。続いて後ろ玉の清掃に進みます。

 マウント部にある4本のネジを外し、見えるカニ目を外すと、一番後ろのレンズが外れます。今回の分解はここまで。残りのレンズにカビはなく、きれいでした。

 完璧には程遠いですが、カビは無くなり、画像に影響が出ないレベルまで、きれいになりました。コーティングに影響は有りません。

 全て組み上げ、最終工程のフランジバッグ調整作業を開始します。C型座金を外す手前の工程まで、戻し、レンズをカメラにセットして、遠方にある被写体にAF機構でピントを合焦させます。その状態のまま、C型座金を再度外し、ライブビューで被写体をアップにしておき、座金を止めていたネジ穴に差し込んだドライバーを、距離リングを動かさないようにしながらどちらかに、回転させると、ピントが大きく動きます。被写体にピントを合わせて、C型座金をねじ止めすれば、完成です!文章にすると、なんだか長いけれど、清掃工程は、時間にしてわずか1時間程度のものです。

 なんとか、EOSレフ機で使用できるAFレンズが完成しました。御覧ください!この堂々とした重厚感を。(現在のAF技術には、到底及びません。しかし、古さを楽しむ心の余裕があれば、なかなか味わえない、「心の豊かさ」あるいは「おおらかさ」のようなものを、感じることができ、実に心地よいです)

 アルミ製Canon銀黒エンブレム、New FD50mmの名盤、ライカ風ノーテーパーフードでドレスアップしています。もはやRicoh社製の痕跡は皆無で、知らない人が見れば、Canon社製品に見えるはずです!

 完成したレンズによる試写結果が、次回最終報告になります。いや~ここまで、長かったな。このビジュアルと、ちゃんと使える実用的AFレンズに仕立て上げることに執念を燃やし、完成までこぎつけた、数少ない改造のレポートでした。ここまで、読み進めて頂きまして誠にありがとうございました。次回の報告と同時に、店舗で、このレンズの販売を開始致します。すでに、このブログをお読み頂き、問い合わせを頂いておりますが、皆様本当にありがとうございます。価格は店頭での発表となりますが、販売まで、今しばらくお待ちくださいませ。

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最終回 AF RIKENON 50mm f2 「テスト撮影」編 はこちら

 最後まで、お読み頂きまして誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

 チノンの珍品レンズも入荷しました!このレンズも80年代の黎明期のAFレンズです。このレンズの修理日記もどうぞ!

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RICOH AF RIKENON 50mm F2 世界初の一眼レフ用AFレンズ  「AF機構調整」編 その2         高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

皆さんこんにちは。第2回の「AF機構調整」編その1 に引き続き、世界初の一眼レフ用オートフォーカスレンズの改造記事、第3回「AF機構調整」編その2 をお届けいたします。

RICOH AF RIKENON 50mm f2  PKマウント

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 それから幾日かの時間が経過しましたが、諦めがつかず、AF原理を考えています。機械的AFが三角測量の方法で、被写体までの距離を測距しており、その距離データに従いレンズを動かし、ピントを合わせます。レンズに距離を伝えるためには、機械がレンズの繰り出し量を把握していないと、制御出来ないはず。同様の原理で作動する黎明期の他のAFレンズは、ギアの回転数を測り、レンズ繰り出し量を制御しています。(過去記事:Canon NEW FD 35-70mm F4 AF マウント改造編はこちら)しかし、このレンズは、そうではなかった。では、どのように制御ているのか?再度分解し、片っ端から、構造を細部まで、観察しました。

 見つけたぞ!これか!

 距離リングの下に、エンコーダーと読み取り接片が有りました。どうやら、このエンコーダーで繰り出し量を測定し、モーターで位置制御しているのだな。もっと詳しく観察すると、そのエンコーダーにある、接点以外では、レンズは止まらないことが判明。全部で16箇所しか存在しない。ん?ピント位置がその中間にある場合、ピントはどうなるんだ?疑問はこの日、晴れることは有りませんでした。

 このレンズ、よくよく調べてみると、ゾーンAFで、そのゾーンは16あるとのことだ。なるほど!それで、接点の数が16なんだと、理解できました。ならば、その接点は、どの距離を指し示しているのかを、突き詰めなくてはなりません。

 上の距離リングの写真の一番右にある下向きの接点に読み取り接片があるときは、AFは作動しません。その次に一番右の上向きの接点に読み取り接片がある場合、距離指標は1mを指しています。同様にして、全ての接点と距離の関係を明らかにしてみました。

 結果はこの通りです。特筆するは、1mの接点から1.5mの接点までの間に、他の接点が5箇所もあることです。至近距離では、10cmも距離が変われば、ピントがズレ、被写界深度から外れのでしょう。その反対に、5mの接点から10mの接点までの間には、他の接点はありません。

 ここまでを理解して、対策案が見えてきました。そのエンコーダーを距離リングから、一旦取外し、80cm分ずらして、貼り直せば、もしかして上手くいくのでは?今日は冴えていました!

 機械的AFは1.5mの距離を2.3mと認識して、エンコーダーに2.3m指標まで、レンズを繰り出せと司令するが、エンコーダー自体を80cm分狂わしたため、距離指標は、1.5mを指しています!やったー!成功だ!本来の繰り出し量で、フランジバッグを調整できるので、無限遠にも問題なくピントが合っている!

「機械的AF」の狂いをエンコーダーを故意にズラすことによって、狂いを相殺できたので、結果「機械的AF、距離指標、フランジバッグ」の3つすべて一致することとなり、問題が解決しました!

 おぉ~俺の勝利だ!ここまで、レンズを買い取らせて頂いてから、1ヶ月近くかかっています。このレンズをCanonレフ機で使用できる日が、確実に近づいてきました。残るは、レンズの清掃です。全面にカビが発生しています。バルサムが切れていたら、修理不能。一縷の望みをいだき、この日の作業はこれで、終了。あー疲れた。次回は、最終工程「レンズ清掃」編となります。ここまで、紆余曲折を経て、なんとか、生き残っていますが、果たして、実用できるレンズに仕上げることができるのか!?それでは、次回のブログをお楽しみに!

第1回 AF RIKENON 50mm f2 「マウント交換」編はこちら

第2回 AF RIKENON 50mm f2 「AF機構調整」編 その1 はこちら

第4回 AF RIKENON 50mm f2 「レンズ清掃」編 はこちら

最終回 AF RIKENON 50mm f2 「テスト撮影」編 はこちら

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RICOH AF RIKENON 50mm F2 世界初の一眼レフ用AFレンズ  「AF機構調整」編 その1         高知市リサイクルショップ      お宝市場 満Q 葛島店

 皆さんこんにちは。前回の「マウント交換編」に引き続き、世界初の一眼レフ用オートフォーカスレンズの改造記事、第2回「AF機構調整」編をお届けいたします。

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 なんだかんだ言って、失敗リスクを顧みず、文化財級レンズの不可逆的マウント改造に成功したところまでは、良かったのですが・・・・フランジバックは狂い、そもそも、ピント精度がずれていることは、なんら改善されていません。Canon機にマウントできるようになっただけなのです。MFレンズとして使用するなら、現在の状態のままで、全く問題ないのですが。

 Canon機で実際にAF機構の精度確認を実行してみました。ピントチェックチャートまでの距離を1.5mにセットし、AFボタンを操作すると、ちゃんとレンズは動きます。しかし、距離指標は2.3mで止まり、ファインダー像は全くのピンボケ状態です。幾度繰り返しても、2.3mでピントが合ったとレンズが判断しているのです。元所有者様が仰ってた、一定のズレというやつか。

 AF機構自体がズレているということは、そのズレを直せばいいだけのこと。何も考えず、レンズの上に鎮座する出っ張り、AF機構を分解してみます。う~ん、さっぱり分からん!細部まで詳しく観察するも、原理は一切理解できず。各所、調整部位にはネジロックが塗布されています。頭の中では、「そこは触るな!と、警報が大音量で鳴り響いています」今までの、分解経験から、絶対に壊すゾっと頭が警告しているのです(笑)人生諦めも大切かなぁと。

 そもそも、この手のAFレンズは、「機械的AF」と「距離指標」と「フランジバッグ」の3つを一致させないと、まともに作動しないものです。しかし、機械的AFは調整ができないので、試しに、フランジバックだけでも調整してみることに。

 調整後、再度レンズを組み立て、いざ、動作確認。あっさりと、ピントが合焦してしまいました。なんだ、こりゃ簡単だったな。なんて、余裕をまかし、コーヒーブレイク!そそくさと、着替えを済ませ、意気揚々と外へ飛び出し、試し撮り。

 ん?無限遠にピントが来ていない!でも、近景には、ジャスピン。距離にして80cm分、ピントヘリコイドを前に繰り出し、ピント調整しているため、無限遠位置まで、レンズが引っ込まず、ピントが合わないのでした。(超初歩的ミス)

 その日は、結局戦意喪失。

 別の日。最後の部分「距離指標」をあわせる作業を試みました。機械的にAFを合わせ、そのままAFギアを動かさず、距離指標だけを、レンズから取外し、本来の距離である、1.5mに指標を合わせて再度組み上げます。これで、3つの調整箇所のうち、2箇所(フランジバッグと距離指標の)は調整できたことになります。早速、テスト。結果は、またもや、距離指標は2.3mを指しています。調整中、ギアが動いたか?ってことで、何度か、同じ工程を踏むも、結果に変化無し!なんだ、これもだめか!

 まだまだ、格闘は続きますが、本日はここまでとし、次回は「AF機構調整」編その2となります。ちょっとした工夫で、調整に成功するのですが、さて、どんな工夫を施したのか。乞うご期待あれ!

第1回 AF RIKENON 50mm f2 「マウント交換」編はこちら

第3回 AF RIKENON 50mm f2「AF機構調整」編 その2 はこちら

第4回 AF RIKENON 50mm f2 「レンズ清掃」編 はこちら

最終回 AF RIKENON 50mm f2 「テスト撮影」編 はこちら

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