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デジタルカメラ 業界裏情報

Canon PowerShot 350 テスト撮影編

 皆さんこんにちは。Canon Power Shot 350 入荷編に続き、テスト撮影編をお届けいたします。オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方は、お付き合いください。それでは、始めます。よろしくお願いいたします。

テスト開始後、即、問題が発覚しました。バックアップ用電池の劣化が原因で、カメラ内に保存されている日付の設定が、2000.01.01になったまま、変更すらできない状態なのです。現在のカメラは、設定記録電源に、市販されているボタン電池を使用しているのですが、当時は、2次電池を、しかも、基盤の中に組み込んでいて、経年劣化しても交換ができないような構造になっています。劣化してしまうと、交換しない限り、状況は好転しません。交換作業は、後日することとし、とにかく、映りのテストを続行しました。

 このカメラ、3cm~70cmの範囲で、手動でピント合わせをするマクロ機能がついています。70cm超の距離は、ピント固定のパンフォーカスです。ピントピークは2mほどに設定されているようです。

まずは、遠景作例から。朝焼け風景

続いて、線路。JR土讃線。(始発電車が走る前の時間帯。)

最後は、稲穂。ん?この写り。どこかで見たことがあるような。

思い出しました。使い捨てフィルムカメラ「映るんです」で撮影した写真です!

35万画素機。精細さを求めてはいけません。しかも遠景は、ピント合わせ不能なパンフォーカス。お世辞にも、実用的とは言えないですね。残念です。

続いて、ピントピーク周辺での撮影。

近所のわんこです。遠景よりは、きれいに映っています!(なんとか、見ることができるレベルという意味ですが)

続いて、マクロ撮影。

どちらも、ほぼ最短距離での撮影になります。(カピカピの鼻に、とげとげの口元。なんとも、かわいい)マクロ撮影は、ピント調整(3cm~70cmの範囲のマクロ撮影はMF操作)ができるため、なんとか実用範囲のデータを得ることができました。

 カメラに液晶画面拡大などの機能は無く、画素数が少ないため、ピント合わせには、慣れが必要です。

 以上が、作例になりますが、皆さんはどう思われましたか?「パソコンでの鑑賞では、想定通りの結果で、実用には、ちょっと厳しい。しかし、携帯端末で見る程度なら、まだ使えるかも?」これが私の感想です。しかしながら、先にも明記した通り、デジカメ産業遺産としての価値を有するため、稼働する当機は、大変貴重だと思います。

最後に、日付バックアップ用電池を交換をする必要があります。テスト撮影結果が残念で、やる気がなくなったオタクですが、気力を振り絞り、再度分解してみます。

やはり、有りました。ストロボ用コンデンサの下側に、丸い2次電池が。ルーペで、確認すると、「GC5.5V 0.47f」と表示があります。調べると、電気二重層コンデンサであることが判明しました。用途は、2次電池と同様とのこと。早速、注文したので、入荷次第、交換作業に入るとします。本日作業はここまで。

数日後、届きました。電気二重層コンデンサがこれ。カメラにあるコンデンサより、大きいので、もとのスペースには収まりません。やむを得ず、並列接続して、コンデンサは、空いたスペースに格納することにします。

 まずは、上の写真のように、端子にリード線をつなぎ、

極性を間違えないようにハンダ付けします。コンデンサは絶縁処理して、ご覧の場所に、テープで固定しました。作業は、たったこれだけ。ものの見事に、日付データは、正確に保存されるようになりました。

それにしても、劣化したら、使い物にならない二次電池を、しかも交換不可能な状態で、装てんしているとは、黎明期ならではの、未熟さですね。ちなみに、2000年発売のEOS D30 の日付バックアップ用電池は、市販されているボタン電池(CR2025)が装てんされており、劣化したら交換が可能になっています。

問題なくご使用いただけるレベルにまでは、整備が完了いたしました。実用的ではないと思われるカメラですが、興味をお持ちの方が、いらっしゃいましたら、ぜひ当店で、実物を手に取ってご確認くださいませ。

電池交換作業自体は簡単でした。しかし、私のように電気工学の知識や資格を持たないものが、基盤に触れると、危険を伴います。実際、ストロボ用コンデンサに触れ、300Vの電流に打たれましたし、過去には、基盤をショートさせた経験も持ちます。発火の危険性もあることでしょう。非常に危険な行為です!このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。なお、分解工程に関する内容のお問い合わせには、対応いたしておりません。

最後までお読みいただきまして、誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

営業時間 10:00~21:00   買取 10:00~19:00                              TEL 088-882-3907 

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Power Shot 350 入荷編はこちら。

Canon EOS D30 液晶画面修理記事はこちら。

番外:寄り道ぼやき編

今回は、テスト撮影がてら、犬を連れて、早朝の近所を散歩したのですが、ご覧の通り。違法投棄の現場。小学生の通学路上にあるごみ集積場。廃棄したのは、大人であろうことは、だれの目にも明白(不法投棄であることを警告する赤紙が貼られてあります)。環境上も、もちろん教育上もよくありません。同地域に生活するものとして、恥ずかしくも思います。少しでも、ごみを減らす、資源を有効に使いまわすために、我々は、古いもの、壊れたものの修理に努めていますが、このような場面を見ると、我々が行っている(ちっぽけではあるけれど)エコ活動は、世の中に役に立っているのだろうか?と、むなしくなります。最近では多くの人が、「あらゆるものが中古品として、売買されている事実」を認識し、期間中きれいに使用し、要らなくなったら、我々を通じ、次の所有者様を探すエコ活動に参加されています。捨てる前に、めんどくさがらずに、満Qまで、お持ちくださいませ。責任をもって、次の所有者様を、探し出します。不要とされる方から、必要とされる方への橋渡しは、我々満Qの使命です。

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デジタルカメラ 業界裏情報

Canon PowerShot 350 入荷!

 みなさんこんにちは!本日は、Canon Power Shot 350の液晶画面修理レポートをお届けいたします。オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみ、お付き合いください。それでは、始めます。よろしくお願いいたします。

 先日、EOS D30 と同時に入荷したコンパクトデジタルカメラで、デジカメ黎明期の遺産とも呼ばれるオールドカメラになります。発売開始は、1997年で、実に27年前のカメラです。パンフォーカスレンズ6mmの、35KB・1/3インチCCDセンサー搭載のカメラです。35MB機ではなく、35KB機です。そう、35万画素機です。今の時代に、実用機として存続するのは、難しいと思いますが、コレクション用途が、まだ有ると判断し、不具合箇所を修理することにします。

ご覧ください。この有様を。カメラ自体は、通電し撮影はできているようです。しかし、液晶画面が激しく劣化しており、画像確認ができない状況です。その他ボディーもぼろぼろです!液晶画面の修理は、先日 EOS D30 で成功しているため、心配ないのですが、修理できる環境まで、無事分解ができるかどうかが不安です。それでは、早速分解を開始していきます。

 本体側面にあるねじを外すと、上の写真のようになります。さらに基盤を外していきます。

 外した基盤の下に、まだ基盤が見えます。

 損傷させないよう、慎重に基盤につながるフレキシブルケーブル等を外していきます。

液晶部分がやっと、外れた。さらに進みます。

やっと、修理可能な状態まで、分解できました。

 偏光フィルムを剥がします。この作業は簡単でした。

続けてガラス板上の糊を剥がします。この作業、てこずります。

 きれいになりました。ここに、角度に注意しながらカットした偏光フィルムを貼り付け、再度組み立てていきます。

はい。完成!ボディーも溶剤やクリーナーを駆使し、磨いていきます。一部、再塗装も施しています。デジタル初期のころのカメラだからか、本体の中は、スカスカで、空きスペースも多く、作業自体は難易度低めです。作業に必要なものは、プラスの精密ドライバーと、ピンセット、カッターナイフに綿棒、溶剤、偏光フィルムくらいで、特別なものは不要です。ここまで、作業時間約60分。

35KBという超低画素機が、どのような映りをするのか、デジカメ遺産としての価値を有する当機に興味は尽きません。次回、テスト撮影結果をアップしますが、果たして実用に十分こたえることができるのか?今となっては、このような低画素カメラでの撮影を、経験できるチャンスは、滅多にないでしょう。発売後、四半世紀が経過した古いコンパクトデジカメは、市場にあまり出回りません。ましてや、稼働品となると、さらに少ないです。そういった意味では、貴重なカメラ。修繕は完了していますが、テストが終了してからの販売とさせていただきます。次回の、テスト撮影編に乞うご期待あれ。

Power Shot 350 テスト撮影編記事はこちら。

Canon EOS D30 液晶画面修理記事はこちら。

以上、カメラオタクによる Canon Power Shot 350 液晶画面修繕レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。カメラ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。なお、分解工程に関する内容のお問い合わせにも、対応いたしておりません。

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デジタルカメラ 新入荷 業界裏情報

Canon EOS D30 入荷

 皆さんこんにちは。本日は、ビンテージ デジタルカメラが入荷しましたので、ご案内させていただきます。

「Canon EOS D30」と「Power Shot 350」の2機種で、ともに、20年以上前に製造販売された、いわゆるオールドデジカメと呼ばれる、おふるカメラです。いえ、ビンテージカメラです。

 しかも、2台とも、液晶画面に問題があり、このままでは、使えないカメラです。一般人から見ると、ガラクタにしか見えないはずです。

 このように、所有者様から見放され捨てられる寸前の古い機器類を蘇らせ、必要とされる方たちへ、橋渡しすることを使命と捉え、活動している身からすると、今回入荷したカメラ達を、簡単には捨てることはできません。上の写真は、整備完了後の画像にて、きれいに見えますが、入荷時は、それはひどい状態でした。

 今回は、まずCanon EOS D30 から修理することにします。発売開始は2000年で、当時30万円以上の価格で、販売されていました。(24年前か。この当時、あんなことしてなぁ。なんて昔を懐かしみながら作業に入ります)

 液晶画面が、写真のようになっており、画像を確認するのが、難しい状況です。撮影や記録など、カメラ機能に問題は無く、データをパソコンに吸い上げると、ちゃんと記録はできています。しかし、撮影画像をその場で、確認できないのは、致命的です。(フィルムカメラの時代なんて、ラボで現像してもらうまで、確認などできなかったのに。)

詳しく症状を確認します。液晶は、内部の画面自体の表面が変化または、劣化しているようで、表面に凹凸があり、波打っています。(アップの写真を撮り忘れました)さらに詳しく観察するため、カメラ裏側のボードを、分解します。(見えているねじ3本、親指があたるラバーグリップを剥がしたところに、ねじが3本。合計6本のねじを外せば、下の写真のようになります)

 写真は、すでに液晶画面の表面部分を一部削っています。(ガラス板の表面にフィルムのようなものが、貼り付けられているのですが、そのフィルムが、劣化しているようです)この段階で、一旦再組立てし、確認してみます。

こんな感じ。表面のフィルムが、分厚く、頑丈に張り付いており、簡単には剝がれませんでした。削った部分は、ガラス板がむき出しになっています。

 そして、通電。画像を再生してみます。ご覧のように、フィルムを剥がした場所は、画像が映りません。(汗)やってもうた!剥がしたフィルムには、電極のようなものは、何もなく、フィルムに電気が流れているようには、感じなかったのに。でも、映らないのは、事実。しかも、他の部分は、ちゃんと再生している。液晶ディスプレーの原理が理解できません。(涙)

 気を取り直し、液晶ディスプレーの原理について調べました。シャープさんが、詳しく解説してくれていました。電極の表面をガラス板で挟み、表面に偏光フィルムを張り付けている。

 なるほど、剥がしたフィルムは、偏光フィルムだったのか。では、フィルムを貼り直せば、治る?早速、アマゾンをぶらつき「PATIKIL 165 mm 粘着式直線偏光フィルムシート」を見つけ、注文!

 おお~!映っている!やっぱり、剥がしたのは、偏光フィルムだった!でも、このフィルム。角度によって、見え方が変わります。

偏光フィルムの角度に注目ください。上の写真から90度右に回転させています。画像が全く映りません。レンズの先端に装着するPLフィルターも、そういえば偏光フィルターって言ってたな。そんなことを思い出しながら、角度に注意し、画面サイズにフィルムをカットします。

液晶画面に残る糊を、カッターと有機溶剤で、きれいに落とします。(下地がガラスなので、作業は簡単です)

ようやくきれいになった。

貼り付け後、テストします。

映ることを確認後、フィルム表面の保護薄フィルムを剥がしてから、組み立て直します。

 完成です。ちゃんと映っています。原理さえ知っていれば、簡単に治せます。デジタルカメラにとって、液晶画面は重要なパーツです。直接、撮影画像に影響はないとはいえ、その場で確認できないのは、やはり致命的でしょう。これで、ストレスなく、ご使用いただけます。それでは、店頭で販売を開始しますね。本体代金に、偏光フィルム(実費のみ)を加算させていただき、税込み〇〇円で販売します。気になる方は、店頭で価格を、ご確認くださいませ。同時に入荷したPower Shotも同様に液晶画面が死んでおり、そのままでは、商品にはなりません。修繕が完了いたしましたら、ご報告させていただきます。

Power Shot 350 入荷編はこちら。

Power Shot 350 テスト撮影編はこちら。

以上、カメラオタクによる Canon EOS D30 液晶画面修繕レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。カメラ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。なお、分解工程に関する内容のお問い合わせにも、対応いたしておりません。

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デジタルカメラ ホビー 家電 新入荷

ジャンクカメラ大量入荷

 みなさんこんにちは。本日は、ジャンクカメラが大量に入荷しましたので、ご案内させていただきます。

 昭和のフィルムカメラ、ビデオカメラ、コンパクトデジタルカメラなど、大量に入荷しました!陳列棚に並びきらないカメラだけを、ワゴンに移し、販売をしています!陳列棚は、ぱんぱん!やばいです!基本、全商品、動作未確認のジャンク扱いのカメラたちで、使い方は、いろいろ。分解修理や、部品どり。または、改造などに、ご活用くださいませ。

 猛烈な勢いで、売れていく姿を見ると、少し安くしすぎたかな?って感覚になるのは、職業病のせいです。

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OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4 第4回「テスト撮影」編

 皆さんこんにちは。第3回「レンズ改造」編に続き、「テスト撮影」編をお届けいたします。オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみお付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

 テスト条件は、いつもと同じです。(割愛します)

 F4 開放 周辺減光は認めますが、歪曲も少なく、中心解像は良好です。

 F8 十分な性能です。

 F4 開放での遠景テスト画像

F8 絞っての遠景テスト画像

 この画像では、判別しにくいのですが、周辺部まで、ビシッと解像していて、実に気持ちいいです。で、AF反応速度、感度は過去のAF黎明期のレンズの中で、一番良好です。AF自体も早くノーストレスで撮影が可能です。

 高知県大豊町 定福寺

 以上、OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4による作例でした。時間があまりなく、今回だけの持ち出しとなり、より多くのパタンでのテスト撮影はできませんでしたが、発色もよく、歪曲などの収差も気にならない優秀なレンズのようです。より深い素性確認は、新しい所有者様にお任せすることとし、改造を施したまま、現状販売を行います。(可逆的改造ですから、元に戻すことも可能です。)すでに、店頭に陳列いたしております。興味をお持ちの方は、ぜひ当店でお試し下さい。なお、EOS以外のカメラで、ご使用を想定されている場合、マウントアダプターとお使いのカメラをお持ちいただけますと、その場で、即動作確認していただくことも可能です。満Qでは、皆様のご来店を心よりお待ち申し上げております。

 以上、カメラオタクによる OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4 AF 改造レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。カメラ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。なお、分解工程に関する内容のお問い合わせにも、対応いたしておりません。

第1回「レンズ入荷」編はこちら

第2回「レンズ清掃」編はこちら

第3回「レンズ改造」編はこちら

 最後まで、お読み頂きまして誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

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OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4 第3回「レンズ改造」編

OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4AF OMマウント

 皆さんこんにちは。第2回「レンズ清掃」編に続き、第3回「レンズ改造」編をお届けいたします。オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみお付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

 このレンズ、マウントアダプターを装着していない状態なら、スイッチを入れると、AFが動作します。つまり、機器の故障では無いということ。ではなぜ、アダプターを装着すると、動かないのか。原理は不明。しかし、動かなくするなにかが、あるに違いありません。詳しく観察します。

 装着時、マウントアダプターの爪は、レンズのしぼり連動ピンを動かしながら、所定の場所まで、回ります。装着前と装着後の違いは、そこだけ。しぼり連動ピンが、動くことによってAFが動かなくなるようです。アダプターの、その動きは、本来カメラが行う動作であり、そうしないと、撮影時しぼり幕をコントロールできなくなります。

 レンズに有るしぼり連動ピン(赤丸印)はマウントアダプターに有る爪(矢印)によって、所定の場所まで、動かされます。

 アダプター装着完了後(上の写真)のマウント部。カメラ装着時(アダプター装着時)、しぼり連動ピンは写真の位置に無いと、しぼりのコントロールができません。アダプターの爪を研削すれば、EOSに装着しても、AFは作動すると思われます。しかし、しぼり開放でしか、撮影できないです。

 AFが動かなくなる原因は、分かりました。しかし、対処の方法は思い浮かばず。ん~、もうちょっとなのに!仕方ない、マウント部の分解方法を、ネット検索だ!

 あれから、数日後。意を決し、マウント部の分解作業を敢行します。もちろん、同レンズの分解行程など、どこにもなく、仕方ないので、OMシステムのマウント部分解記事を、読み漁りました。いくつかのトラップに注意しながら、慎重にことを進めよとの進言に従います。

 恐る恐るパーツを外していきます。初めてのOMマウントの分解。キャノン社とは、随分と構造が違いますね。しぼり連動ピンの全容が露わになっています。(上の写真)スプリングに繋がれ、ピンが動いても、スプリングの力で元の位置に戻る仕組みのようです。配線などは見えません。もう少し、進みます。

 しぼり連動ピンに繋がるスプリングを外し、連動ピンを引き抜いてみました。すると、連動ピンの下から、電子接点(金色の部分)部分が出てきました。(上の写真)

 しぼり連動ピンの裏にも、細いアーム上の電子接点が4本。なるほど、電気的に、マウントされたカメラが、OM30かどうかを認識しているのだな。もう少し詳しく観察すると。しぼり連動ピン裏の電子接点は、カメラにマウントされていないときは、もう一つの電子接点に触れていません。(電子接点同士が触れていなければ、レンズ単体でもAFは作動する)カメラにマウント(アダプター取付)されると、しぼり連動ピンが動き、接点同士が接触し、カメラ情報がレンズに伝達されるようです。

 まとめると、レンズにカメラがマウント(接続)されると、しぼり連動ピンが、あるべき位置に移動し、しぼりコントロールできるようになる。と、同時に、電気的通信によって、接続されたカメラ(OM30)を認識し、AFを動作させることができるようになる。仕組みのようです。(あくまでも個人的見立てです。)

 と言うことは、マウントアダプターの接続後、電気的通信ができないようにすればいいだけのこと。しぼり連動ピン裏の電子接点を撤去するのが簡単なのですが、可逆的改造とするため、もう一つの接点をマスク(通信不能な状態にする)するとこにしました。

 結果は。・・・・・・・・・・・・OK!

 マウントアダプターを装着しても、AFが作動しました!(EOSにマウントしても、AF機能を発揮したのです!)大した分解行程も必要とせず、作業自体は実に簡単なものでした。この事実は、多くの方に朗報となるのではないでしょうか。今まで、OM30以外では、使い道が限られていたレンズなのに、マウントアダプター経由で、各社ミラーレスカメラでAFレンズとして、使用することができるようになるのです。使用することなくこのレンズを眠らせていらっしゃる方は、是非とも、プチ改造を施した上で、現代のデジタル時代に蘇らせてはいかがでしょうか。

 当店には、ここ2年ほどの間に、1980年代前半(ミノルタα-7000発売前)に登場したAF黎明期のレンズが、このオリンパス社のレンズを含め、合計6本入荷しました。(6本とも、EOSで使用できるよう、整備・改造して販売いたしました)

当店に過去入荷した黎明期のレンズたちの整備・改造記録記事

RICOH AF RIKENON 50mm F2

AF AUTO CHINON 50mm F1.7

COSINA AF ZOOM 28-70mm

NEW FD 35-70mm f4 AF

AUTO CHINON ZOOM 35-70mm f 3.3-4.5 AF 

 ミノルタα-7000発売以前のAFレンズは、全部で7種類あるとのことで、残すは、PENTAX社から発売された世界初のTTL AFシステムカメラとセットで販売されたレンズだけです。

 このレンズは、asahi.netさんの情報によると、レンズにモーターや電池BOXを備えているが、カメラ内でのTTL AF検出とのこと。EOSでAFレンズとして、使用することは難しそうです。ですが、一度見てみたいです。もし、ご使用されていない、同レンズをお持ちのお客様は、是非とも当店にお売り下さいませ。よろしくお願いいたします。

 ここまで、読み進めていただきまして、誠にありがとうございます。修理?改造?が終わったこのレンズを持ち出し試し撮りをしていきます。次回、テスト結果を公表いたします。さぁどのような素性を持つレンズなのでしょうか。乞うご期待あれ。

※ブログをアップ次第、リンクを貼り付けていきます。

第1回「レンズ入荷」編はこちら

第2回「レンズ清掃」編はこちら

第4回「テスト撮影」編はこちら

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OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4 第2回「レンズ清掃」編

OLYMPUS ZUIKO AUTO-ZOOM 35-70mm F4AF OMマウント

 皆さんこんにちは。第1回「入荷」編に続き、「レンズ清掃」編をお届けいたします。オタクによるオタクのためのブログにて、興味のある方のみお付き合いください。それでは、よろしくお願いいたします。

 あれから数日後、マウントアダプター(OM-EF)が届き、早速、取り付けてみます。天位置こそ、ズレていますが、ガタなど無く、しっくりきています。

 ですが・・・・・・・・・AFが作動しません!なんで?電池を交換しても、動かない。レンズを装着したり、外したり。何度繰り返すも、やっぱり、AFは動かない。でも、マウントアダプターを外すと動くんだよな。なんだ、やっぱりOM30専用のAFレンズかぁ。がっかりだ。(がっかり度合いは、「札幌の時計台」に匹敵しています)開始10分で、またもや戦意喪失。

 しかし、諦めが悪いのは、私オタクの最大のポイントでございます。

 

 いつもお世話になっている asahi-net さんの情報(上の画像)によると、レンズ単体で、AF検知とある。OM30専用レンズではあるが、たしかに、レンズ単体では、動作してた。なのに、マウントアダプターを装着すると、動かない。OM30以外のカメラに装着されたと、レンズが認識しているからなんだろうな。しかし!専用のトリガーコードとやらを、使えば、AFを作動させることができると、書いてあるではないか!早速、ネット検索。でも、このトリガーコード、希少なもののようで、どこにも売ってない。(涙)

 後日、やっとなんとか見つけ出しだしたのに・・・・・・・お値段異常。定価を超えているではありませんか!選択肢はこれ一択なのに!まさに足元見られるとは、このことだよな。(需要と供給のバランスで価格は決まるのであって、ボッタクリではございません。念のため)

 数日後。届いたトリガーコードはこれ。やっと、これで、EOSで使える。・・・・・・・・・・ん?動かないじゃないか💢!コードをレンズに接続し、スイッチを入れても、うんともすんとも言わない。ちくしょー!またか。どうやら、「OMワインダーとレンズを」トリガーコードで接続すれば、OM30以外のカメラでも、AFを作動させることができる。と言う意味だったらしい。asahi-net さん、カッコの部分を省略するなよ!OMワインダーは、オリンパスのカメラにしか、装着できない。つまり、EOSでは、AFレンズとして、使用できないということ。「札幌の時計台」どころか、「長崎のオランダ坂」なみにがっかりだ!

 仕方ない!レンズ清掃を済ませ、普通に販売することにします。(しかし!内心、まだ諦めてはいないオタクなのです)

 レンズ後ろ玉付近にカビか汚れを確認します。

 しかし、後ろ玉。ガラスレンズではなく、プリズムが配置されています。このプリズムで、入射光の一部を分離し、レンズ下部のセンサーに光を送り、位相差AFを実現しているようです。どの機器もそうですが、センサー部分は、アンタッチャブルが基本です。調整用機器が無い限り、一度分解したセンサー部分は、元の精度を維持できないです。しかも、触ったこともない、OMシステムのマウント部。そこは触るな!神のお告げにて、マウント部からの分解は諦めます。

 気を取り直しレンズ先端から、分解を開始。名盤を治具で外します。前玉4群4枚(写真右は名盤、真ん中が1枚目、左はガラスが3枚アッセンブリされています)は、簡単に取り出せました。躯体内部に見えているのが、しぼりユニット直前に配置された5枚目のレンズですが、このレンズは綺麗で、汚れはどうやら、しぼりユニットより奥の6枚目レンズか7枚目レンズのようで、5枚目以降、前からはアクセス不能です。トドメを刺され「高知はりまや橋」を超える、がっかり感です!

 と、言うことは、つまり、入荷したときの状態から、なにも改善できていないことになるのか?はい。その通りですね!

 諦めの悪いオタクは、考えています。レンズ単体で、AFを完結しているのだから、他のカメラでも使えるはずだと。でも、なんで動かないの?今回はここまでとし、次回「レンズ改造」編へ続きます。果たして、EOS用AFレンズに仕立て上げることができるのか。次回をお楽しみに!

※ブログをアップ次第、リンクを貼り付けていきます。

第1回「レンズ入荷」編はこちら

第3回「レンズ改造」編はこちら

第4回「テスト撮影」編はこちら

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OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-ZOOM 35〜70mm F4 第1回「レンズ入荷」編

 皆さんこんにちは。本日は、オリンパス社製のレアなAFレンズが入荷しましたので、ご案内させていただきます。元所有者様が、もし必要とする方がいるならと、わざわざ、当店にお持ち込み頂いたものです。他に、SMCタクマーなど多数ありました。ありがとうございました。その思いに今度は、我々が次の所有者様に引き継ぐため、責任を持って全力でサポートさせていただきます。

 ここからは、カメラオタクによる、カメラオタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。それでは、開始します。よろしくお願いいたします。

 持ち込まれたレンズの中に、1本、異彩を放つものがありました。レンズの下部に大きく出っ張る部分があり、大きくAUTO FOCUSと表示されています。ボディーには、大きなボタンが2つあり、オタク、初めて目にするレンズでしたが、AFカメラ黎明期のレンズだなってすぐに理解できました。(ここ2年ほどの間に、立て続けに80年代の初期のAFレンズが入荷しているので)諸元を調べるも、情報が少なく、詳細は不明ですが、83年にオリンパスOM30と同時に発売されたレンズのようで、OM30専用のAFレンズのようです。

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 レンズの状態を確認してみると、光学系は、カビだらけですが、躯体は、殆どキズやスレはなく、きれいです。電池室には液漏れしている電池がそのまま、入りっぱなしで、青く錆びていましたが、電池を交換し、恐る恐るスイッチをONにして、ボタンを押してみると・・・・・・・・・

 なんと動くでは有りませんか!カメラも無いのに!レンズ単体で、AF機能が動作しているのです(OM30専用って情報だったのに)!他のボタン類も、反応しています。(カメラが無いので、正常作動かどうかの判断は、できていません)とにかく、マウントアダプターを取り寄せることに。

 液漏れしていた電池は1本だけで、写真の通り、見えている側だけが腐食していました。キズは浅く、電池室内部、接点に腐食は、ほぼ無い状態で、アルコールでメンテしただけで済みました。使用されていた電池は、松下電機製のアルカリ電池でしたが、デザインはいかにも、当時物。

 ね。しかも、「パナソニック」ではなくて、「ナショナル」ですし。そして使用期限を見てみると・・・・・・

 なんと!1987年7月です。っん?この電池、いつ装填されたのだろう?’87年期限の電池を期限以降に入れて、使用するだろうか?レンズの発売開始が、83年ですが、もしかして、購入時に装填した電池?まさかとは、思いましたが、レンズ躯体にスレやキズが全く無いとこを見ると、あながち間違いでも無いかも。ということは、ほぼ未使用品ということか!?発売時価格は93,000円。当時の国家公務員の初任給が104,000円の時代。高価なレンズなのに、殆ど使用されることなく、放置されていた事実。もしかして、使い物にならなかったのだろうか?このレンズ。マウントアダプターも注文しちゃったのに、少し不安だな。

 本日の作業はここまで。次回は、マウントアダプター到着後に動作確認、そしてレンズ清掃作業になります。レンズが単独で動くことを確認したので、EOSで使用ができるのでは?期待が大きく膨らんだのですが、この後、まさかの展開に。それでは、次回「レンズ清掃」編ブログをお楽しみに!

※ブログをアップ次第、リンクを貼り付けていきます。

第2回「レンズ清掃」編はこちら

第3回「レンズ改造」編はこちら

第4回「テスト撮影」編はこちら

 最後まで、お読み頂きまして誠にありがとうございます。満Qでは従業員一同、皆様のご来店をこころよりお待ち申し上げております。

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AUTO CHINON ZOOM 35-70mm f 3.3-4.5 AF最終回 テスト撮影 編

AUTO CHINON ZOOM 35-70mm/f:3.3-4.5 AF PKマウント      

 オタクによる、オタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。それでは、第3回「AF機構修理」編に続き、最終回「テスト撮影」編を開始します。よろしくお願いいたします。

 まずは、チャート図を使用し、素性の確認。条件は、テスト機EOS 5D Mk2、ISO100、オートホワイトバランス、ピクチャースタイルは風景、太陽光にて撮影、三脚使用。Jpeg撮って出し。撮影距離は最短の1m。

 開放f3.3。周辺部は、減光も激しく、解像度も甘いけど、中心解像度はすばらしい。

 続いて、f8。中心、周辺とも、高解像感。文句なし!このブログの写真では、細部まで、確認は困難ですが、実際は、40年も前のレンズとは思えないような性能を発揮しています。なるほど、根強い人気の理由が理解できます!

 暗景作例。真っ暗な中、AFでピントを合わせ(現在のデジカメですら、ピント合わせ不可能な暗闇です)長秒撮影。赤外線アクティブAFの最大のメリット。真の暗闇でも、ピント合わせが可能です!(そんなシチュエーションでは、撮影しないけどね)

 逆光作例。我が家のわんこ、カンタ左衛門次郎吉。(♂1歳半)ゴーストは出ますが、太陽からも、出ているであろう赤外線に影響されることなく、AFを実行しています!

 わんこの散歩途中、後ろを振り返ると、ご覧の通り。

 斜逆光作例。散歩道途中にある、コスモス畑。日没寸前。

 トワイライト。

 遠景作例。火力発電所。遠景でも、細部まで解像しています。

 以上が、テスト結果です。いかがでしょう?周辺減光や色にじみ、ゴーストやフレア等など。現代のレンズには、到底及びませんが、嫌いな描写傾向には有りません。

 今回、無事修理も成功し、テスト撮影で、レンズ素性も分かったことでもありますし、このブログのアップと同時に、店頭に陳列する予定だったのですが、なんと、すでに売約が入っているのです。どこに売れて行くのか・・・・・・・・はい。ご想像通りです。

 今回ご紹介した、AUTO CHINON ZOOM 35-70mm レンズは、けっして、ウケ狙いのお試し的なレンズなどではありませんでした。40年も経過した現在のデジタルの世界でも十分実用できるAF技術、描写性能を有する素晴らしいレンズで、しかも、世界中どこの中古市場でも、滅多にお目にかかれないという希少性も相成り、現在でも、根強い人気を誇ります。当時、チノン社が、会社の威信をかけ開発した歴史に残る文化財級のレンズで、今後も大切に保存されるべきレンズだと感じます。(このレンズの発売2年後、かの有名な本格AFシステムを搭載したミノルタα-7000が発売され、各社AF方式を、ミノルタ社と同じTTL位相差検出方式にかじを切り、アクティブAF方式を、他社が追随することは有りませんでした。また、チノン社も、このレンズを最後に後継レンズは開発しませんでした。)

 以上、カメラオタクによるAUTO CHINON ZOOM 35-70mm f:3.3-4.5 AF 修理レポートでした。ここまで、お読みいただいまして誠にありがとうございます。最後に、お約束事項。カメラ分解には、故障や怪我など、それ相応のリスクが伴います。このブログを参考に同じようなことをされたことにより発生する、トラブルや障害には、当方は一切関与いたしません。自己責任の範囲で、お楽しみください。なお、分解工程に関する内容のお問い合わせにも、対応いたしておりません。

「AUTO CHINON ZOOM MC 35-70mm 」入荷編はこちら。

第1回「レンズ清掃」編はこちら。

第2回「AF不具合箇所追求」編はこちら

第3回「AF機構修理」編はこちら

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AUTO CHINON ZOOM 35-70mm f 3.3-4.5 AF第3回 AF機構修理 編

AUTO CHINON ZOOM 35-70mm/f:3.3-4.5 AF PKマウント   

 オタクによる、オタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。第2回 AF不具合箇所追求編に続き、第3回「AF機構修理」編をお届けいたします。よろしくお願いいたします。

 その後、不具合原因が一切わからない日々が続いていますが、まだ諦めてはいません。本日は、公休日。朝からなにげに、基盤が露わになっているレンズを、コーヒーを飲みながら、作業デスクで、ぼーと眺めていました。なぜか、受信センサーから出る、3本の配線(赤・黒・黄)に目がとまり、不思議と胸騒ぎがするのです。その配線は、隣の基盤、真鍮板で覆われた内部が見えない部分に引き込まれている。う~ん。なんか怪しい。今まで、何度もみてきた部分なのに、誰かがそこに視線を誘導するかのごとく、今日は気になるのです。

 そして、その真鍮板には、横長い窓が空いており、同じような部品が3つ並んで配置されています。その部品を、よ~く見てみると、

 視力検査のときのようなCの字になった部品があり、その位置が3つとも、微妙に異なっている。3本の配線に、3つの部品。そのC型の部品はもしかして、回せるのでは?ネジロックされていないが、もしかして、調整パーツ?真鍮板は外すことができないため、3本の配線との関係は、定かでは有りませんが、すでに、オタクの頭の中では、そこが、探し求め続けてきた、調整可能箇所であることを、確信しているのです。なぜなら、さっき誰かが、「そろそろ暗い迷路から開放してやるか」って、お言葉をかけてくださったのが、聞こえたような?もしかしたら、感じたのかも!?そんな不思議な感覚が残っているから。

 今までの経験では、調整パーツは、調整後ネジロックされているのですが、なぜか、ここは、施されていない。なぜだ?可能性として、①そもそも、この部品は調整できる部品ではない。②固定しなくても、ずれることがない部品。③限りなく可能性はゼロですが、製造時にネジロックの施工忘れ。のいずれか。

 しかし、オタクはそこが調整可能箇所と睨んでおり、これ以上、なすすべがない状況でもあることから、故障リスクを顧みず、賭けに出るこにしました。

 もとに戻せるよう、しっかりと部品の位置にマークします。3箇所の内、1箇所だけ、他の2箇所と大きく位置が異なる左端のC型金具を反時計回りにとりあえず、約30°くらい回し、組み立ててみます。そして、いざテスト。遠くの被写体にレンズを向け、AFボタンを押します。なんと、あっさりと合焦するではありませんか!

 やったぞオタク!でかした!オタク!

 ネジロックが施されて無かったから、調整箇所とは、気づかなかったよ。しかし!今度は、いままで、ジャスピンで合焦していた被写体位置(10m以内)のピントがずれてしまっている。も~。

 その後、こっちを、これくらい動かかすと、何がどうなるから・・・・・・今度はこっちをここにして、あっちをこうしたら、今度はこうなった、などと言いながら3つのC型パーツの調整作業を根気よく続けます。ですが、幾度繰り返しても、上手く行かず、調整パタンが無数にあることに改めて、これはまずいと思い始め、涙目のオタクです。(涙)

 それでも、なにかに取り憑かれたかのように、昼食などそっちのけで、調整と組立て、そしてテストの繰り返し。

 次の休日、なんとか調整が上手くいき、修理が完了しました。調整作業だけに、のべ、2日分の休日、軽く、10時間は費やしています。(よ~やるわ!)完成時、歓喜よりも、やっと終わったとの安堵というか、これで調整作業から開放される、との気持ちのほうが大きかったです。で、結局、真ん中と、右端のC型金具は、弄る前の位置が正解だった様で、左のC型金具の位置がずれたことよって、∞位置にレンズが動かなくなっていたのでした。残り、2つのC型部品が、各々、何をどう制御しているかは、全く不明のままです。

 時間はかかりましたが、なんとか、修理が終わり、問題なく使用できるレンズに蘇りました。今回の修理は、不具合箇所が、比較的浅い場所だったため、また、前回修理した同社の50mmAFレンズに構造が似ていたため、分解自体難しいところは無かったです。機械的不具合ならともかく、電気的な不具合は、私にはハードルが高く、見抜くのが困難であることに、改めて気付かされました。今回は、たまたま感が強く、運が良かっただけのことかな。

 この後、レンズを持ち出し、テスト撮影を敢行します。次回、その結果をご報告させていただくのですが、日本カメラ1983年3月号(CE-5テストレポート)にこのレンズの詳しい撮影テスト結果が掲載されています。その記事によると、写りは抜群とのこと。ですが40年も前のレポートにて、現在のデジカメでどれほど、通用するのかが実に楽しみです。ここまで、読み進めて頂きまして、誠にありがとうございます。次回、「テスト撮影」編で最終回になりますが、もうしばらくお付き合いいただけましたら、幸いです。

 でも、さっきの声、何だったのだろう?

【注意事項】当たり前のことですが、たまたま修理に成功したから、ブログにアップしているのであって、過去のブログもそうですが、便宜上、毎回修理に成功しているかのような構成になっています。本当のところは、1つの成功の裏に、9つの失敗があることを、告白しておきますね。私に修理をさせる目的で、レンズを当店に持ち込む行為は、厳にお断りいたします。十中八九、失敗するのですから。レンズ修理は、私オタクの趣味であり、生業ではございません。修理のレベルは、業者様の足元にも及ばないことも、明言しておきます。

 ・第4回「テスト撮影」編はこちら

※ブログをアップ次第、リンクを貼り付けていきます。

「AUTO CHINON ZOOM MC 35-70mm 」入荷編はこちら。

第1回「レンズ清掃」編はこちら。

第2回「AF不具合箇所追求」編はこちら

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AUTO CHINON ZOOM 35-70mm f 3.3-4.5 AF第2回 AF不具合箇所追求編

AUTO CHINON ZOOM 35-70mm/f:3.3-4.5 AF PKマウント   

 オタクによる、オタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。それでは、「レンズ清掃」編に続き、第2回「AF不具合箇所追求」編を開始します。よろしくお願いいたします。     

 まずは、このレンズのAF機構である、アクティブ方AFについて、調べてみました。下図は、アクティブ式AFの原理図です。主に、コンパクトカメラ(俗にうばかチョンカメラ)に搭載されていた(過去形)AF方式なんだそうです。詳しくは、キヤノン㈱当山さん、ミノルタ㈱浜田さんにより、1995年応用物理学会に、報告されたオートフォーカスに関する解説書の内容を流用します。

 赤外線投光部から出た赤外線が被写体から反射し戻ってくる位置を検出し、距離Lを求める。投光部と受光センサーとの距離をB、受光部とその前にあるレンズとの距離をf、被写体からの反射位置をXとすると、L=Bf/X で被写体までの距離を測定できるのだそうです。ふ~ん。と、言うことは、4つの数値の内、Bとfは固定数値なので、求める数値、距離Lは、受信センサー上の、∞被写体からの反射位置と、被写体からの反射位置Xの距離を読み取り、演算することになります。では、そのセンサー上の距離を、求めてみましょう。Bの数値は実測で、6cm。fの数値は同様に実測1.2cm。仮に被写体までの距離を10mとすると、Xの値は、0.072mmということになります。恐ろしく精密なセンサーであることがわかりますね。1/100mmの距離(長さ)を認識できているということ。センサー部は、上下左右に調整できるようになっており、各々の調整部位は、ネジロックされています。ここをさわれば、機器無しでは、調整などできようもないことが、容易に理解できます。絶対にアンタッチャブルなのです。さわらなくてよかった(汗)。ふー。

 演算された情報は、アクチュエーターに送られ、モーターを作動させ、合焦させる仕組みだと、理解は、できました。

 大きなAFモーターの手前にある部品が、赤外線照射ユニットなのですが、調整後、ネジロックが施されています。(上の写真)

 続いて赤外線受信センサー(目玉レンズの奥にある黒く丸い部品)ここで、センサーの上下が調整され、ネジロックが施されています。(上の写真)

 AFの精度確認。このレンズは、1m~∞までをAF制御するらしいのですが、10mくらいから∞までは、AFで、レンズが動かない。しかし、MFでは、∞にピントが来ていることから、フランジバッグは問題が無いと判断。逆に、1m~10mくらいまでの、AF精度は、40年前の技術とは、思えないほど正確。従い、赤外線ユニットに不具合は考えられない。残るは、アクチュエーターの不具合のみ。

 AFの原理と、現不具合症状から、不具合箇所に、あたりはついたものの、不具合があるであろう、基盤を眺めながら、途方に暮れる時間が流れます。この基盤のどこに? っで、それをどうやって、調べ、調整すればいいの?トホホ・・・・

 上の写真の中央にある、ネジロックされたマイナスネジは、赤外線受信センサーの前後を調整するための部位です。

 基盤にハンダで固定されている抵抗モジュールやICチップ、配線に不具合が無いか、全パーツをチェックの上、接点復活剤で、メンテしていきます。特段、ハンダ不良箇所のような箇所は認められません。ここで、一応念のため、一回組立てて、動作を確認してみます。しかし、結果に変化なし。当たり前だな(苦笑)。

 外は、すでに夕焼け空。いや、雨が上がったばかりで、光が差し、虹がかかっている。あぁ。今日も1日、何の成果もないまま休日が終わっていくのか。なんともはや・・・・晩酌のお酒も全く美味くない。

 修理作業は一旦中断です。このあと数日間、AFの原理や、レンズの分解レポートなど、原因のヒントを求めネット上を、さまよいますが、これという成果もなく、時間だけが過ぎていき、すでに、諦めモードに突入しています。だって、プロの修理業者様でも、その修理を断るくらいですから。いつもにも増して、敗北感が、猛烈に押し寄せてきています。

 数日後、不思議なことに、修理作業中に、不思議な声を聞くことになるのですが、果たして修理は上手くいくのか?それとも、このまま原因不明で、終わってしまうのか?第3回「AF機構修理」編ブログをお楽しみに!

第3回「AF機構修理」編はこちら

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第1回「レンズ清掃」編はこちら。

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AUTO CHINON ZOOM 35-70mm f 3.3-4.5 AF第1回 レンズ清掃編

AUTO CHINON ZOOM 35-70mm/f:3.3-4.5 AF PKマウント      

 オタクによる、オタクのためのブログにて、興味のあるかたのみ、お付き合いください。それでは、このレンズの入荷経緯について記した初回記事に続き、第1回「レンズ清掃」編を開始します。よろしくお願いいたします。

 不具合箇所の症状を詳しく観察していきます。まず、レンズ内部。カビクモリ有りとのことですが、強力なLEDライトで、内部照射して、それを認めます。張り合わせレンズの無い、7群7枚構成のレンズであることが判明し、安堵。前玉繰り出し式のフォーカスレンズで、カビのあるレンズが、ヘリコイドの回転に合わせ、くるくる動いているので、カビは前玉にあるようです。早速、レンズ先端部から、分解作業を開始します。

 名盤は金属製で、ネジ込み固定されていました。続いて、見えるカニ目を回すと、簡単にレンズが外れていきます。

 前玉の、ガラスは合計3枚。3枚目の内側にカビとクモリが有りましたが、クリーニングして簡単に除去完了。コーティングへの影響も有りませんでした。

 内部に、しぼりユニットとその前側にレンズが見えますが、不具合が無いため、手を付けず、後ろ玉もきれいだったので、レンズクリーニングは、これで終了です。

 しかし、このレンズ。フランジバッグを調整する箇所が前玉部分には見当たらなかったな。今回は、∞位置でのピントに問題は無いため、調整は不要ではあったのだけれども。

 作業は慎重を期すため、焦らず、確実に進めていくことにします。本日の作業はここまでとし、次回は、いよいよAFの不具合原因に迫っていきます。ここまでは、順調です。さて、うまくいくのか!? 次回、第2回「AF不具合箇所追求」編をお楽しみに!

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